ラジオ高崎Musique Sans Frontiereの番組内コーナーのために、今回ベルリンで食べたドイツ料理についてinstagram投稿を元にまとめます。
ドイツ料理の定番食材は、ハム、ソーセージなどの加工肉、酢漬けの魚、ジャガイモ、ザワークラウト、そして主食にあたるパン。小麦のパン以上にライ麦のパンが目立つ。トルコやアラブ系のナーンのような平たいパンも目立つ。しかし、僕は糖質制限しているのでパンは食べられなかった。北国なので、元々野菜は限られていたが、現在ではEU全土からあらゆる野菜が入ってきて、緑黄色野菜を一年中食べられるようになった。
デナー・ケバブ
仕事先のメンバーにドイツ/ベルリンらしい料理って何?と聞くと、まずデナー・ケバブと答えられた。トルコのドネル・ケバブの独自進化版で、グリルしたズッキーニやパプリカをたっぷり詰めて、最後にフェタチーズをふりかけてもいた。アラブ系のお店ではデナー・ケバブではなくシャワルマと呼ばれるが、基本的には似たもの。WOMEXのメンバーに最初に連れていかれたのは結局レバノン系のシャワルマ屋だった。まあ日本人がラーメン屋行くのと同じような感じかも。味も量も栄養バランスも日本のドネル・ケバブ屋台と比べたらはるかに上だけど、イスタンブルの名店にはさすがに敵わない。
ベジタリアン料理〜アジア料理
事務所のメンバーにドイツ料理のおすすめの店を教えて下さい。と尋ねたが、誰もドイツ料理の美味しい店を答えてくれなかった。それほどドイツ料理は嫌われているのか?
事務所の彼らは普段何を食べているのか?それは三日間いただいたまかない飯で判明したが、基本は緑黄色野菜をたっぷり使った東南アジア料理、ベジタリアン料理だった。理由はドイツ料理よりもヘルシーで胃に負担が少ないため、スパイシーで現代的なため。
ドイツ料理を食べたい!
ドイツに来たのにドイツ料理を食べずに帰れない。そこで一人でドイツ料理を掘ることにした。
ハッケペーター
まずは高級デパートKaDeWeの最上階のグルメ食材&フードコートで豚の生挽き肉ハッケペーター。これがあっさりしていて最高に美味い!
牛の生挽き肉はタルタルステーキとしてフランスやポーランドでも食べるが、豚の生挽き肉はドイツだけでは? ドイツには精肉専門の資格や挽き肉条例があり、資格保有者だけが条例に沿って生産販売出来るそう。
カレーヴルスト
焼いたソーセージにトマトケチャップを元にしたソースと、カレー粉をふりかけたカレーヴルストもベルリンを代表する肉料理。見た目そのまんまの味すぎてさすがに感動などはないなあ。
シュパーゲル
ドイツの野菜で最も高価と言われるのがシュパーゲル、白アスパラガス。毎年4月中旬から6月までの2ヶ月間しか食べられないそう。ちょうどその季節だったので、食べられるお店を事務所のメンバーに探してもらって、最終日のディナーに食べてきました。太い白アスパラガスを茹でて、茹でジャガイモとともにオランデーズソース(卵黄とレモン汁とバターを加熱しながら溶かしたソース)をたっぷりかけただけ。しかし、これは美味い! 新鮮なシュパーゲルが口の中でニュルっと溶けて、他にはない食感。生ハムかスモークサーモン、豚のシュニッツェル(豚カツ)を付け合わせに選べたので、当然シュニッツェルにしました。こちらもドイツやオーストリアを代表する料理。隣のポーランドでは豚肉を肉たたきで極薄になるまで叩いてから衣を付けて揚げ焼きにするが、ドイツでは肉はそのままだった。
宿の朝食ブッフェに並ぶ加工肉やチーズや生野菜
滞在していたホテルでは朝食ブッフェが充実していた。加工肉やチーズ、魚の酢漬け、野菜のピクルスやオリーブオイル漬けなど、ドイツ料理に事欠かなった。生の緑黄色野菜もたっぷり並んでいた。ベジタリアンやヴィーガンも現代のドイツ料理において無視できないファクターだろう。なので毎日、少なくとも一食はドイツ料理を食べることが出来た。
ベルリンらしい料理とは?
最終日に通りかかったメルセデス広場では大きなテーブルに様々な料理が並び、それをテレビカメラがなめるように撮影していた。なんだろうと思って、そのテーブルを写真に収めたが、後で見直すと、そこに並ぶ統一感のない料理こそドイツ・ベルリンらしい料理なのかもと思うようになった。
白身魚のグリル、フライドポテト、茹でたヨーロッパロブスター、シュパーゲル、ミューズリー、プレッツェル、生ハム、目玉焼きは伝統的なドイツ料理だろう。それ以外は日本の寿司、ギリシャ料理のジャジキ、イタリアのスパゲッティ・ボロネーゼ、スペインのパエリア、日本のみたらし団子、フランスのクロワッサン、インドのパコーラーなど。全然統一感もなく、色合いも地味、しかし、どれもベルリン子が普段から親しんでいる料理だ。そして、これらの大半は日本の一般的なファミレスでもメニューに掲載されていそうなものばかりだ。僕たち日本人も日本料理ばかり食べているわけではないわけで。
今回たったの8日間の滞在。しかも3日は仕事で監禁状態、2日はシンゴくんとともに中東〜アフリカ料理を掘ったので、ドイツ料理を食べられたのはたったの3日だった。多くの人はドイツ料理は地味で胃に重いし、美味いものが少ないと言うが、ポーランド料理が好きな僕は、ポーランドと多くの点で共通するドイツ料理が嫌いとは言えない。特に加工肉とチーズ、ワイン。これらはドイツから世界に誇れるものだと思う。