2023年8月放送のラジオ高崎Musique Sans Frontiereの番組内コーナーのためにサラームが大好きなシンガポール料理の写真をいくつかinstagram投稿を元にまとめます。
シンガポールは多民族国家のため、中国やマレーシアやインド、ニョニャ、西洋をルーツとする食文化が入り交じり、多彩な料理を作り上げてきた。街の至る所にあるホーカーズと呼ばれる屋台コンプレックスが人気。
フィッシュヘッドカレー Muthu’s
シンガポールとマレーシアだけに存在するインド料理。1949年、シンガポールに暮らすケーララ州出身のインド人シェフ、M.J.ゴメスが、鯛のオカシラが大好きな華人の顧客のために作り出したのが最初とされる。その後、マレー人や華人、プラナカン系(15世紀以降からマレー半島に根付いた華人)の間でも広まり、今ではシンガポールを代表する料理の一つとなっている。タマリンドの酸っぱさとケーララならではのフレッシュなスパイスやハーブの複雑な組み合わせ、そしてレッドスナッパー(真鯛やキンメダイの近縁種)のオカシラから出る濃厚な旨味が特徴だ。シンガポールはフィッシュヘッドカレーの銘店がいくつか存在するが、ムトゥーズは1969年にリトルインディアに開店し、これまでに数々の料理賞を受賞している老舗中の老舗。
容赦なく辛く、酸っぱい!でも美味い!魚の出汁とアッサムラクサにも似たタマリンドとコリアンダー、赤唐辛子、ターメリックのカレーグレイビーが混じり合った最高の味。
チリクラブ Jumbo
1956年に屋台の女性料理人チャー・ヤム・ティアンが、いつもの蒸し蟹だけでなく別の調理法を試してみろと、夫に言われたことから生まれた。トマトソースとチリソースで甘辛酸っぱく味付けた彼女の蟹料理「チリ・クラブ」はすぐに評判を呼び、その後、溶き卵やサンバルソースなどが加えられ、チリ・クラブはシンガポールを代表する料理となった。
ホーカーズの料理
シンガポールラクサ
スパイシーなココナッツミルクのスープに米の麺、エビ、モヤシなどが入った麺料理
バクテー(肉骨茶)
豚の骨付きばら肉を漢方系のスパイスやハーブで煮込んだ料理。
クレイポットライス
甘じょっぱい漆黒のソースで鶏肉を煮て、お米とともに土鍋で炊き、目の前で混ぜ合わせたご飯。
雷茶飯
十数種類の薬草を煎じた緑茶を赤米にぶっかけた丼。
海南チキンライス
蒸し鶏とチキンスープで炊いたライス。
ニョニャ料理(プラナカン料理)
15世紀以降に中国南部福建省からマレー半島に移住した華人とマレー人との婚姻から生まれた男性「ババ」、女性「ニョニャ」によって発展継承されてきた料理。中華の伝統的な調理法や食材、食器を用いながらも、マレー半島の食材やスパイスをたっぷり取り入れられ、ココナッツミルクや赤唐辛子、様々なローカル食材が特徴。
ニョニャやババたちは一般のマレー人や新たに中国各地から移住してきた華人たちとは宗教や生活習慣が異なるため、彼らの料理は長らく家庭内だけのものとされてきた。しかし、現在ではシンガポールやマレーシアのペナン、マラッカなど、古くから彼らが暮らす湾岸都市を中心にニョニャ料理のレストランがいくつも出来ている。