この日も朝から翌日の3時半までWOMEXの審査。
7サムライのメンバーは毎年変わるが、今年はイタリア、スペイン、ベルギー、オランダ、ドイツ、イギリス、そして日本からは僕。僕以外のメンバーは事前審査を通った数百組のアーティストたちのライブをたいてい観ている。これが一番羨ましい! 日本はワールドミュージックにおいては最果ての僻地だから仕方ないんだけど、またヨーロッパに長期滞在して、夏のフェス周りしたいなあ。
メンバーの多くは今回初めて会ったけれど、それぞれ学ぶことが多かった。
オランダのフランシスはアルバムよりもライブパフォーマンスあってこそと。若いベルギーのリズはアーティストのマネージメント会社やソーシャルメディア、スポティファイのフォロワー数を重要視していた。スペインのビットールとイタリアのマガリはもっと感覚的で、まだ観ていなくてもロマンティックな音を推していた。そして総合プロデューサー、ドイツのアレックスは他のメンバーが選ぶアーティストたちを地域国別、ジェンダー別、音楽ジャンル別に仕切り直していく。
若い頃からの憧れだった元3Mustaphas3のヒジャズ・ムスタファこと、イギリス人プロデューサーのベン・マンデルソンは総合スーパーバイザー。彼とは以前から色んな場所で会って話はしていたが、今回はプライベートまでゆっくり話が出来た。
結果はまだ発表できないけれど、2日間にわたり、7人が白熱した討論を繰り返し、疲労困憊し、それでも最後の最後に全てのパズルのコマがピタッと合った。
この仕事は自分のワールドミュージック業界のキャリアにおける一つの大きなハイライトになった。日本にも仲間はいるけど、僕の仕事は世界中の数千人の仲間とダイレクトにつながっていると確信出来た体験だった。この仕事を続けてきて本当に良かった。