メゼ
キプロス料理のメゼ(Μεζές / Meze)は少量の料理を何十種類も次々と出す宴会料理を指す。
トルコのメゼが「酒のつまみ」を意味するのに対し、キプロスでは「フルコースそのもの」を意味することが多く、レストランで「Meze for 2」と頼めば、20〜30皿もの料理が延々と運ばれてきます。
キプロスのメゼの流れ
- パンとディップ
- タヒーニ
- ザジキ
- スコルダリア(ニンニクポテト)
- ヨーグルトディップ
- 野菜・前菜
- オリーブ
- キュウリやトマト
- ピクルス
- ビーツ
- 茹で野菜
- チーズ
- ハルーミチーズ
- アナリチーズ(無塩のカッテージチーズ)
- 揚げ物
- ズッキーニフライ
- ナスフライ
- ポテトフライ
- チーズ入りパイ(ラビオリやカルツォーネに似たもの)
- 肉料理
- Sheftalia(豚挽肉を網脂で包んだソーセージ)
- 豚肉のグリル
- ラム
- 鶏肉
- レバー
- 季節料理
- カタツムリ煮込み
- オクラ
- インゲン豆
- ドルマ
- 豆料理
- 締め
- オルゾ(米粒状パスタ)
- ブルグル
- ピラフ
トルコ料理・ギリシャ料理・レバント料理が融合した独特のスタイルで、地中海世界の食文化が一つの食卓に集約されている。
- タヒーニやヨーグルトディップは中東的
- ハルーミやホリアティキ風サラダはギリシャ的
- シェフタリアやスブラキはキプロス独自
- 豚肉料理が非常に多いのはギリシャ系キプロスならではd


日常的なキプロス料理
スブラギ
キプロスで「ケバブ」と言えば、ピタパンに肉を挟んだスブラキ・サンドイッチのことを指す。ギリシャ本土と同じように豚肉が主流で、炭火で焼いた肉にトマト、キュウリ、玉ねぎ、パセリなどを合わせ、タヒーニをかけて包む。さらに嬉しいのは、注文していないのにタヒーニやオリーブ、ピクルス、野菜などの小皿メゼが当たり前のように運ばれてくる。



家庭料理食堂
アントニスに連れられ、ニコシアの人気食堂へ。午後一時半を過ぎて店に入ると、日替わり料理はほとんど売り切れ。残っていたのは黒目豆とチャードの煮込み、オーブン焼きチキン、ワイン煮込みの豚肉だけだった。迷う必要もなく三皿すべてを注文すると、料理の前にタヒーニ、ザジキ、ハルーミ、トマトとキュウリ、オリーブと青唐辛子、パンが次々と並べられた。頼んでもいないメゼが当然のように付いてくる。
黒目豆とチャードの煮込みは、あっさりと塩控えめに煮られた家庭料理だが、アントニスは、そのまま食べてはいけないという。「本当の食べ方を教えてあげる」と言って、まず塩をたっぷり振りかける。さらにオリーブオイルを惜しげもなくどぼどぼと回しかけ、最後にレモンを半分近く搾り、全体を豪快に混ぜ合わせた。「これがキプロス流だよ」と笑う。豆のほくほくした甘みとチャードのほろ苦さに、レモンの酸味とオリーブオイルの青い香りが重なり、驚くほど味が立体的になる。日本人なら「味が薄い」と感じそうな料理も、この最後のひと手間を加えて初めて完成するのだ。



加工肉
ワインバーで供された前菜の盛り合わせの中で、一番印象に残ったのはルンザだった。豚ロースを塩漬けにし、赤ワインとコリアンダーシードで香りを付けて燻製したキプロスの伝統食だ。噛むほどに肉の旨味がにじみ、後からコリアンダーの爽やかな香りとスモーク香が追いかけてくる。ベーコンとも生ハムとも違う、島ならではの味わいに思わずワインが進む。チーズやビーツ、ピタパンと合わせてつまんでいると、キプロスのワイン文化はメゼ文化と切り離せないものなのだと実感した

ワイン
キプロスワインは、世界でも最も古いワイン文化の一つ。考古学的には約6000年前にはすでにワイン造りが行われていたことが確認されており、地中海でも最古級のワイン生産地として知られている。
キプロスは古代ギリシャ、フェニキア、ローマ、十字軍、ヴェネツィア、オスマン帝国と様々な文化の影響を受けてきましたが、ワイン造りだけは途切れることなく受け継がれてきた。中でも有名なのが、世界最古の名前付きワインとも言われるデザートワイン、Commandaria。干しブドウから造られる濃厚な甘口ワインで、中世ヨーロッパでは「王のワイン、ワインの王」と称賛されたそう。
