ラジオ高崎で放送中のMusique Sans Frontiere。番組の料理コーナーのために料理写真をこちらに投稿します。
2021年11月第3週はトルコのチーズです。
トルコのチーズはもう種類が多すぎて! 街角のチーズの専門店に行くと、日本のデパ地下にある輸入チーズ専門店以上に品揃えが多く、しかも安い!
まず一番一般的なのは白チーズのベヤズ・ペイニル。ギリシャのフェタチーズと同じ、塩が効いた乳清に漬けて売られている酸っぱくて豆腐状のチーズ。ギリシャではEUの原産地呼称保護制度に守られているため、フェタチーズはギリシャ産の羊と山羊の乳で作られたチーズのみを指す。トルコでは羊、山羊、牛の乳の白チーズがある。日本のハラルフード店で売られているものは牛の乳のため癖が少なく食べやすい。
白チーズは薄切りの二等辺三角形に切り、居酒屋メイハネの前菜メゼとされる。メロンの切り身を添えることも多い。また朝食では白チーズに蜂蜜を添えることもある。ポロポロと砕いて、サラダに散らしたり、スクランブルエッグのメネメンに入れたりもする。
カッテージチーズやリコッタチーズ状のフレッシュチーズも幾つか種類があり、塩気のあるもの、ないものがある。塩気のないものはお菓子にも使われる。チーズを極細パスタのカダイフの間に挟み、耐熱皿に重ねてオーブンで焼き、上から砂糖シロップをジャバジャバと回しかけ、ピスタチオのパウダーをどっさりふったものはキュネフェ。周辺のアラブやイスラエルではクナーファと呼ばれ、美味いが超高カロリーだ。
他には通常のハードチーズやブルーチーズ、シェーブルチーズ、日本の裂けるチーズと同様のストリングチーズも幾つも種類があり、それぞれに味が異なる。
変わったところでは、山羊や羊の皮にチーズを包み、土の中に埋めて長期保存出来るトゥリュムペイニリ。
チーズをおにぎりのような山状にまとめ、赤唐辛子粉、乾燥ミント、コショウ、タイム、塩、クミンなどでコーティングして発酵させるシュルクペイニリ。
キプロス島原産で熱を入れても溶けないので、グリルパンなどで焼いて焼き色を付けていただくヘルーミペイニリ(ハルーミチーズ)は、近年は日本の輸入食材店でも売り始めている。
日本ではチーズは輸入の関税が高く贅沢品のような値段になっているが、元々チーズの安いトルコからもっともっと輸入してくれたらうれしいのだが。