Thanks & CU TVBros.

ご存知の方も多いとは思いますが、隔週刊のテレビ情報雑誌「TVBros.」がこの3月20日号を最後に隔週刊を止め、新たにテレビ欄なしの月刊誌として生まれ変わります。

“the TV magazine of the future”、”ありえないテレビ誌”として約30年にわたり日本のサブカルの一角をになってきたメディアがついにその姿を変えることになりました。

僕は1994年、六本木のレコード店の店員として働いていた頃に音楽ページの編集者に依頼され、原稿を執筆し始めました。2年半ほどの休止期間はあったものの、99年から再び執筆するようになりました。2000年に会社員を辞め、フリーランスの音楽ライターとして独立してからは、もっぱら僕が興味を持った音楽原稿の主なアウトプット先として自由に活動させていただきました。長い間、「TVBros.(株式会社東京ニュース通信社)」は僕の一番大きな取引先で、そこからの原稿料は一番大きな収入源となっていたくらいです。

電気Grooveのお二人やYMOの御三方、近いところではババズーラや東京カリー番長の水野さん、U-zhaanやGomaさん、そして、ボリウッド映画取材時のプリヤンカー・チョープラーやカトリーナ・カイフまで、「TVBros.」のおかげで会うことの出来た人も数知れません。また東京で悶々と原稿を書き続けていただけだった僕を、日本全国からDJやレクチャーのために呼んでいただけるようになったのも「TVBros.」の原稿を通じてだと思います。

しかし、どんなメディアも、そこで働く人も、関わる人も、読者も、そして、時代も、姿を変えるものです。僕はラジオが忙しくなり、さらに中東料理の仕事が激増し、近年の「TVBros.」では毎号の新譜CDレビューとワールドミュージック輸入盤コラムだけを細々と書き続けるだけとなっていました。「サラームさん? 懐かしいなあ? 以前「TVBros.」を熱心に読んでいました!」と話しかけられることも増えました。「TVBros.」は既に元々の役割を終えたのでは?と思い始めたのはいつ頃からだったでしょう?

それでも「TVBros.」からの仕事があったからこそ、僕はフリーとして独立する決断が出来たし、原稿の書き方なんて誰に学んだわけではなかったのに、プロとして生計を立てられるほどに成長することが出来たのだと思っています。

今回の隔週刊終了の知らせを聞いて僕は驚くことはありませんでした。それ以上に「関係者から、読者のみなさん、長い間お疲れさまでした!」と言いたいです。そして、同時に感謝の意を表します。

歴代の音楽ページ担当だった藤本君、小田倉元編集長、村田さん、木下君、土館君、そして読者の皆さん、楽しい24年間をありがとう! またどこか、別の機会に会いましょう!

https://zasshi.tv/products/detail/HBTVB1001_001-2018-D0324-A01-00-00

 

 

 


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