この日は最大の失態。メルジャン・デデのサンライズコンサートを見損ねた。普通に朝7時に起きて、ゆったり朝食を食べていたのだ。何をやってるんだ、昨年の夜明けのメルジャン・デデのビデオを観て、そのために来たと言うのに! 仕方ないので、午前中はウチヒサルのマーケットまで出て、陶芸ワークショップを見学したり、ウチヒサル城塞に登ったり、村のレストランでマントゥを食べたりして、なんとか情けなさを忘れようともがく。
午後からはエスマと、ギョレメ在住のブラジル人ベリーダンサー、クララに頼まれ、彼女たちのフォトセッション。場所はカウボーイエクレムの牧場裏。今回買い足した新兵器canonの大型フラッシュがここで初めて役立った。
夕方からはロマ系演奏家三人によるタクシムトリオ。クラリネット奏者ヒュスヌはテレビ番組を持っているポップスター。どの曲も後半に超絶演奏による盛り上がりがあり、一時間があっという間だった。
夜は一旦宿に戻り、城塞でチュニジアのダフェール・ユーセフ。マネージメントはババズーラと同じギュルババミュージック。ダフェールのスキャットやウード演奏も素晴らしかったが、若いアゼルバイジャン人のピアニストが西洋クラシック&ジャズと中東音楽を見事に繋いでいた。
終了後、マネージャーのアフメトジャンに誘われ、楽屋へ。ダフェールは英語以外にイタリア語もフランス語も、トルコ語、もちろんアラビア語まで交えて、楽屋を訪れていたファンに応えていた。僕が英語ではなく、フランス語で話しかけると、急によそよそしさが消えて、冗談ばかり言うキャラに変身した。
彼らの滞在している宿で、アゼリーのピアニストに話しかけた。やはり、アゼルバイジャン人でソビエト共産時代にムガームジャズを切り開いたVagif Mustafazadehの存在が大きいとのこと。言葉はトルコ語が通じるし、イスタンブルから飛行機で2時間かからずに行けるらしいので、そろそろアゼルバイジャンにも行かねば。
夜中過ぎにギョレメに出て、フェスのクロージングパーティーへ。イルハン・エルシャヒン、エリック・トゥルファズ、ヒュスヌ・シェンレンディリチが一つのステージに立つ熱いセッションは午前2時すぎまで続いた。これでCappadoxも終了。
