「MEYHANE TABLE」は僕にとって初めての大型本(しかもオールカラー)なので、小さく使う写真一枚でも力を抜けないでいます。料理写真は選び終わり、残りはコラムページやページ背景やら、ほんの少々なのに、まだまだ時間がかかります。昨夜、そして今朝からずっと差し替え候補写真を選び直しています。気がつくと、もう午後1時。今日の仕事は全てキャンセルしてこちらを優先します。
「イスタンブルで朝食を」をお読みいただいた方はご存じの通り、僕は出来る限り色鮮やかな写真を選んでいます。
僕はこの本と先行の二冊の本、そして日々の活動を通じて、「エスニック料理=スパイシー=辛い=アーシー=茶色、サンド色」という、日本人が戦後70年かけて確立した、どうでも良い既成概念をぶち壊したいと思っています。
世界中の料理を食べ比べれば、日本料理こそ世界で最も「エスニック(少数派*)」で、他の追随を許さないほどトンガった料理体系なのに、誰も日本料理のことを茶色やサンド色だけでは形容しないでしょう!
(*生魚、生卵、おどり食い、納豆、味噌、酒と砂糖の大量使用など)
直しの出来る時間はあと10日ほど。写真を選んでいるだけで時間はすぐに過ぎていくし、食材説明のためのたった100文字のキャプションも、僕は「おいしい中東」でも「イスタンブルで朝食を」でも既にいやというほど書いてしまっているので、それを今からフレッシュな気持ちで書き直すのは本当に難しい。
そんな時はこの本のキャッチフレーズに立ち返ります。
合言葉は「レモン、にんにく、パセリ、オリーブオイル」です!
レモンの酸っぱさ、にんにくの香り、パセリの緑色、レバノン産オリーブオイルの発光するような黄緑色が「MEYHANE TABLE」に通底するテーマ、色彩、アティチュードです。