若山ゆりこの近況
Yuriko's News

2003/7/23

 「エキゾ音楽超特急〜とびだせジャパニ!」アマゾンで買えます。本屋にも並んでます! というわけで、とうとう本格的に発売となりました。みなさま本屋や図書館でどしどし問い合わせてくださいませ。このサイトでも買えますのでよろしくお願いします。  といっても自分ではあんまり実感がわきません。作業が難航して一時は本当に出せるのかと、二人で疑心暗鬼になっていたりもしましたが、実際出てみても、なんか達成感というか、初めての本だ!というこみ上げる感動はあんまりなくて・・。カワイイんだけど、照れくさいような、恐いような・・。読んで下さった方からの反響を受け取って、少しづつじわじわ、実感するのかもしれませんね。

 さて、7/16日にグデチャブラザースによる北インドの古典声楽ドゥルパドを聴きに行きました。このドゥルパドはインドの声楽の中でも最古典的でシブイものなんですけど。私は数年前に偶然、巨匠故ダカールブラザースのCDを聴いて以来、この幻惑的歌声の虜になっていまして、ビクターから出ているダカールブラザースの「ドゥルパド」は睡眠時のヘビーローテーションとして愛聴しつづけておりました。このドゥルパドは楽曲の導入部、ラーガの提示部分(専門的なことは割愛)のアーラープと呼ばれる即興部分がとても長く、伴奏楽器もタンプーラのみで「れ〜れ〜れ〜れ〜〜」とか「あ〜〜〜〜」とかヴォーカリーズの掛け合いが延々1時間近く続くのです。これがなんとも言えず気持ちいい!もわ〜っと宇宙に飛ばされてふわふわと空間を舞っているような、そうして気がつくと夢の世界って感じ。

 

ドゥルパド1

 そういうわけで、CDでなく生のドゥルパドが聴けるっていうので、このコンサート数ヶ月前からずっと楽しみにしてたんです。  そして、期待に胸膨らまして聴く、生のドゥルパドは・・いや〜シブイのなんのって。実際いつも入眠用に聴いていたわけで、眠くなるの当たり前なんですけど。それにしても周囲の睡眠率の多いこと!みんな首がくっとうなだれてましたからね。演奏は素晴らしく、声の掛け合いはじーっと聴いていると吸い込まれそうではあったんですが、ホールがやたらに寒かったのと(これはインドでもありがちですが)、観客がみんな凍りついていたのと、ちょっとマイクのボリュームが押さえ気味だったのが伴って、声の熱気が伝わって来なかったのが残念でした。

 インドで古典のコンサートに行くと、観客が盛り上がって、それにつれて演奏が盛り上がってここぞという時にクライマックスを迎えて、観客がわーっと拍手してっていう、掛け合いでみんなの気分が高揚してゆくんですが、あんだけシブイと日本の聴衆は反応しようもないのか、ずーっと静まり返って、淡々と演奏が続く感じ。おまけに、後半は海外公演用にアーラープの部分を短縮した曲を、数曲やるという構成で、いくら眠いっていっても、あの部分があってのドゥルパドなのよ〜と思いましたが。異世界にぼわーっと飛ばされつつ聴くのがいいんじゃない、と。ただ楽曲を歌うだけじゃあんまりスリリングじゃないのよね。

 いつも思うのは、音楽は目に見えない、だから本当は音楽の魅力っそれ自体の魅力だけじゃなく、それをとりまく空気や匂いや温度やそういうものを全部含んでこそ、本領を発揮するんじやないかなってことです。とくにその土地や民族に根ざした音楽はなおさらで、一見雑音だったり、余計なものだったりするものが音楽の旨みを作っているような気がします。それでもイイ物は何処で演奏してもイイ物なんでしょうけど・・。音楽だけ楽しむのなら別にCDでもいいわけで、わざわざコンサートに行くのは、私にとって音楽をとりまくヴァイブレーションを味わいに行くようなものかもしれません。素晴らしいヴァイブレーションを音楽と共に味わえた時、それは極上の音楽体験となるのですね。というわけで、今回は演奏はピカイチでしたが音楽体験的にはイマイチでした。

ドゥルパド2

   もう一発インドネタ。こっちはハッピーです。今年の正月ボンベイで観て受けに受けた映画、「グールー」が「踊るマハラジャNYへ行く」というなんとも??なタイトルになってビデオ/DVD発売されます。この映画はホントに素晴らしく楽しくてしかも笑えるんで、みんな是非観て〜!というかサラームのところにビデオが届いていてすでに3回観てるんだけど、もちろんDVDでも買いますよ。

 これは、インド映画じゃなく、アメリカ制作のインドをネタにした映画なんですが。それだけに、ギャグが結構辛辣でいいんですね〜。アメリカンドリームを夢見て、渡米したインド人ダンス教師の主人公が、ひょんなことからポルノ映画の仕事をすることになり、そこで知りあったポルノ女優から教わった愛と性の哲学を、精神世界かぶれのヤッピーに話したら大受けで、セックスのグールーに祭り上げられるって、ドタバタ話ですが。まず冒頭で主人公が映画「グリース」(!)を観て、ダンス教師を目指すってくだりですでにやられますよ。そこで場面が変わって、成長した主人公がダンス教室で教えているのがマカレナ!。で、性の哲学を説いた主人公が 「ダンスは愛と同じです。さあ、踊りましょう!」といってみんなで踊るのが、イントロ部分をマカレナそのまんまにパクったインド映画主題歌「CHORI CHORI GORI SE」なんですね〜。このセンス憎い憎い。

グールー1

 とにかくアメリカに行くとベンツに乗れてペントハウスに住めてっていう、アメリカンドリームを夢見てるインド人と、インドに行けばクンダリー二が覚醒して魂が解放される、とかなんとか、インディアンドリーム?を夢見てる金持ちアメリカ人との掛け合いが最高です。マリサ・トメイ扮するヤッピー娘のベタベタな精神世界かぶれっぷりに大笑いだけど、時々笑えない部分もあったりして。私もヨガ習ってるからなあ・・(笑)。でもって、ヤッピー達が救われたちゃった教えっていうのは、彼等が軽蔑している、ポルノ女優の説いたものだった訳。

 でも、この映画はインドでは成人指定であんまり人も入っていなかったのでした。で、その時もう一つカナダ制作のインド人家族をネタにした恋愛映画「ボリウッド ハリウッド」が公開されていて、こっちも見に行ったんですけど、大入り満員でインド人大笑い。でも私にはちっとも面白くなかった。受けてるギャグが全く分からないの。ホント、ギャグってのはある共通した認識がなくちゃ笑えないんですね。「グールー」の場合「マカレナ」や「グリース」あるいは「クンダリー二が覚醒して!」とか「前世を知る会」で笑えなきゃどうしようもない、しかし多分ほとんどのインド人にとってはいまだに「マカレナ」はイケテル曲かもしれないわけで・・。ところで、「クンダリー二が覚醒」してってのも一般のインド人にとってはマジな話なんでしょうか?どうなんでしょう?でもギャグにされてもなんでも、インドに行く度に、そのまか不思議な世界観に幻惑されっぱなしなのは事実なのです。

ボリウッドハリウッド